本記事はローランド・ベルガーの1次面接体験記です!
ローランド・ベルガー│選考フロー
書類選考→1次面接→3~5次面接
ローランド・ベルガーについては、コンサル未経験者の場合は選考が長期化する傾向にあり、5次面接まで続くこともあります。コンサル経験者やMupの方はより少ない回数で終わることもあるようです。
例に漏れず、きゃりおは長期戦となりました!
WEBテストはなく、書類選考後即面接に突入する形となります。
現在は代わって録画面接が課され、簡単な志望動機とフェルミ推定が出題されているようです!

1次面接はシニアコンサルタントの方となります。
長い道のりになりますが、ぜひ頑張ってください!
ローランド・ベルガー│1次面接内容



はじめまして、ローランド・ベルガーでシニアコンサルタントを務めているXXと申します。本日は45分の面接ということでよろしくお願いいたします
2分前に入りましたが、いかにもデキそうな、シュッとした若手の面接官が既に待ってました…



お待たせしてしまい申し訳ございません!
本日はお忙しい中お時間いただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。



大丈夫ですよ。それでは始めましょう。まずは簡単にきゃりおさんの自己紹介と志望動機をお願いしてもよろしいでしょうか?



もちろんです。新卒でXXに入社し、現在はXXの業務に従事しています(簡単に業務内容を説明)
現職ではXXの理由から、顧客の本質課題にリーチできない点に課題を感じています。課題解決にあたっては、シーズ先行ではなく顧客課題から構想を描き、オペレーションに落とし込んでいく、全く逆のアプローチが必要だと考えています。それができるのはコンサルファームだと思っており、中でも上流課題の解決にフォーカスしている戦略コンサルを志望しています!



ありがとうございます。戦略ファームという観点では他もあると思うのですが、中でもなぜローランドベルガーなのでしょうか?他のファームとの違いをどのように見られているか、教えていただいてもいいでしょうか?



御社は、もともとは自動車が強かったところ、足元は消費財やヘルスケア等の領域にも積極的に手を伸ばしているとの印象を持っています。そうした業界は現職でも経験があり、コンサルは未経験であるものの、バリューを出しやすいのではないかと思っています。
加えて、業界の行く末をうらなうようなレポートを積極的に発信している点も魅力的です。私自身も、組織の一員ではなく、個の力で勝負していきたいという考えており、そうした観点からも御社を志望しています!



レポートも見て頂いてるんですね~、私は社員ですが、正直あまり見れておらず、お恥ずかしい限りです笑
業界については仰る通り、まだまだ偏りはありますが、広げようとしている最中ですね
一候補者に対しても、ものすごく物腰柔らかい雰囲気のある方で話しやすい方でホッとします



それでは、この後はケース面接に移りたいと思います。
フェルミ推定とケースをそれぞれやっていきたいと思いますが、やったことはありますでしょうか?



はい、事前にある程度の準備はしてきております



了解しました。それでは早速行きたいと思います。まずはフェルミからですが、国内における中古自動車の年間販売台数について、推定いただきたいと思います。
時間は3分でお願いしたいと思いますが、何かご質問はありますでしょうか?



ありがとうございます。中古自動車の数ということですが、自家用車のみでしょうか?あるいは、商用車も含みますでしょうか?



そうですね~、自家用車のみに絞っていただいて大丈夫です。
他に特に質問なさそうであれば、ご検討お願いします
- 3分経過 -



3分経ちました、ご状況いかがでしょうか?



はい、年間販売台数として、50万台と推定しました
面接官の表情が曇ることを察知。ズレてるかな、という心境になる…



計算ロジックとしては、市場全体の台数を買い替え年数で割り戻し、年間販売台数を導いています。
式は、世帯数×保有率×保有台数÷買替年数×中古率で、都会と田舎で自動車の持ち方が異なることから、2つにセグメント分けした上で導いております


- 世帯数:(こちらは所与として値のみ説明)
- 保有率:全体として高齢者の免許返納などのトレンドはあるものの、特に田舎では生活インフラの観点で車は必需品に近い位置づけであり、田舎: 90%、都会: 50%で設定
- 保有台数:都会は1台、田舎は上記の理由から2世帯に1世帯が2台保有している前提で1.5台
- 買替年数:車のモデルチェンジは平均8年周期の理解
- 中古車比率:日本は新車がメインであることから、中古車は10%と設定
「中古車比率」に触れた瞬間、面接官の顔色が変わるのが分かり、何となくここのパラメータがズレてそう、という勘が働く。オンライン面接では面接官の表情の変化が分かりやすいため、その瞬間を逃さないようにするのは結構ポイントなのではと思う



ご説明ありがとうございます。その数値について、どう思いますか?



自動車全体の販売台数に関してはそれほど大きなギャップはないと思っています。
一方で、中古車比率については、仮置きしてしまいましたが、特に日本の自動車は耐久性は高いため、中古の流通比率はもっと高いかもしれません



そうですね、そこの数値が小さくなってますね。
精緻化するとした場合、どういうアプローチが考えられますでしょうか?



供給ベースで検算するのが一案かと思います。一定面積当たりに新車/中古車ディーラーがそれぞれどの程度があるか?を踏まえて、割合を置くのが一案でしょうか。
肌感覚ベースになりますが、それほど大差はないように思うため、中古比率50%程度としても、違和感ない気がします



そうすると、えーっと、250万台くらい、ということですかね。うん、近い数値かなと思います。ありがとうございます。
では、この流れで、国内で中古車の売上を更に高めていく方向での検討もできればと思います。こちらはディスカッション形式で進められればと思いますが、いかがでしょうか?



承知しました、問題ございません。
売上を上げていく、ということですが、目標感の前提はありますでしょうか?



前提は自由に設定いただいていいですよ。
どういう流れで考えるのがよさそうですかね?



承知しました。まずは足元の市場構造を見たうえで、どのような方向性を取るべきか検討していきたいと思います。
中古車市場についてですが、中長期的には日本の人口縮小に引っ張られる方向かと思いますが、現状の中古車比率を踏まえると、まだ拡大余地は残されていると思います。
また、フェルミでも触れた通り、国産自動車の耐久性能は高いと考えられるため、中古車の機能面で大きな欠点はないのではないでしょうか。
一方で、日本は自動車OEMのプレゼンスが高いため、顧客の多くは中古自動車を買うという選択肢と比較せずして、新車を購入する流れになってると思います。
そのため、中古車というプロダクトはそのままに、新車を購入している層の需要をいかに取り込むか?がポイントになるのではないかと思います



確かに日本はOEMが強い、という話はよく言われるところですね。
でも、中古車の選択肢を持たず新車を買う、ということはあり得るのでしょうか?



そうですね・・・確かに高額商品になるため、全く比較せずして購入するということはないかもしれません。
ただ、OEM各社販売金融が強くて、どの会社も系列子会社として金融機能があるので、価格的にはある程度負担感なく買える、というのが実態かと思います。
なので、いかに認知~購買までのファネルを取りこぼさず顧客を誘導できるか、というマーケ寄りの発想で解消できる可能性はあるのでは、と思います



なるほど。では、中古車需要を潜在的には持ってるけれども、新車を買ってる人をいかに取り込むか?ということですね。どうしたらよさそうでしょうか?



実は、まだ具体的なターゲット顧客は見えていないところです…
中古車の強みを新車対比で考えて、どういうニーズに刺しうるのか?という点から、考えてみたいと思います。
中古車は品質面では新車には劣るものの、性能的には十数年単位でも持つため、プロダクトに懸念はない、ということはお話した通りです。加えて、価格のメリットはやはり大きいと思います。しかし、売れていない。となると、ブランド認知に課題があるのではないでしょうか。
中古車だと10万円程度~ラインアップがある気がしており、新車購入層の取り込みのみならず、車以外のモビリティ全体の需要を奪う、という観点もあるかと思いました。



なるほど~。最後の観点は面白いなと思いつつ、本当か?という気もしました。車以外のモビリティ市場の取り込みを狙うとは、どんなセグメントなんですかね?



例えば、バイク乗りとかはある気がしました。
田舎だとバイクで大学に通う等のユースケースもあり、そうした人達の需要を取り込む、ということです。
話しながら、議論がまとまらない感じにまずさを感じつつ、ふわっとした話をしてしまう…



そういう人は何で車ではなく、バイクの免許を取るんでしょうね?
単に価格以外の観点もあると思いますが、どうなんでしょうね。駐車場の制約とかでしょうか?



そうですね、駐車場がないからバイクにする、といった観点はあると思います。加えて、免許取得に関しては、バイクの方がハードルが低いということも一要素かと思います。
ただ、すみません、論点からは少し離れていってる気がしており、いったん元の前提で考え直させていただいてもよろしいでしょうか・・?



はい、もちろん大丈夫ですよ笑



ありがとうございます汗
一般的に新車を買うという人は、は中古車にネガティブなイメージを持っている人が多い、というところはまずあると思います。
特に家族連れですと、奥さんや子供を乗せることもあり、そうした人への配慮もあって、中古車の選択肢を最初から落とし、新車の中から車を選択する人が典型的なターゲット顧客のイメージです。
中古車の一般認知は「汚くて、すぐ壊れそう」というものだと思いますが、実際はそうではない。そこの訴求をしてあげるのがよいかと思いました。



ただ乗ってくれるためにはハードルがあるわけですよね。
どうすれば、そうではないと分かってくれるのでしょうか?



取り得る方向性の一つは初回利用の敷居を下げる、ということがあります。
今回は、「中古車をそれほど視野に入れずに新車を購入している人」が、ターゲットの想定のため、知らずに綺麗な中古車を利用していて、使い終わった後にそれが実は中古であった、といったような体験ができるといいのではないでしょうか。
この前、コロナで北米のレンタカー会社であるHertzが倒産したというニュースを見たのですが、それによって中古車市場が縮小するという報道がありました。
その際にレンタカー会社は中古車でオペレーションを回しているということを知ったのですが、例えば、レンタカー会社と提携して、通常はレンタカーとして中古車を流通させつつ、顧客が気に入れば販売もできる、といったようなスキームがあれば、ネガティブな印象を払拭しながら、販売も伸ばせると思いました。



案としては面白いですね。ただ、それでどこまで販売を伸ばせるのか、は気になるところですね。
ちなみに、初回利用の敷居を下げる、というところに関しては何かアイディアはありますでしょうか?



一定期間使い続ける商材、という要素を踏まえると、レンタルオプション購入などもフィットするかと思いました。
昔ドラムセットをレンタルしていたことがあるのですが、一定期間支払い終えた後にその楽器を無償で譲り受けられるオプションが付いていて、驚いたことがあります。そうした販売スキーム面の拡充も方向性としてはあるかと思います



あー、たしか賃貸とかでもありますよね。一定金額払ったらそれが頭金に変わる、といったようなもの。
中古車でそうした販売手法が取られてるのかは不明ですが、方向感としては一つ検証余地のあるオプションかもしれないですね。



ありがとうございました!ではケースはこれで終了としたいと思います。
最後に何か質問があれば、お受けしたいと思いますが、いかがでしょうか?



ありがとうございました!
今回のケース面接の内容に関して、FBいただいてもよろしいでしょうか?



もちろんです。全般的にはよいと思いました。特に打ち手のところは、アナロジーで幅出ししながら説得力を持たせられていて面白かったと思います。
改善点としては、論点をもう少し意識したいというところですかね。
一度ピン止めしたターゲット顧客をブラしたものの、特に答えがなく戻ってくる、というシーンがありました。
ディスカッションなのでノックアウトではないのですが、そこを意識した展開ができると、今後の面接でよりシャープな回答になると思いました。
引き続き頑張ってください!



大変貴重なFBありがとうございます。はい、引き続き頑張ります!



では、本日の面接も以上とさせて頂ければと思います、ありがとうございました
ケースについては、ノータイムのディスカッション形式でした。ただ、フェルミで解かされるよりは断然余裕があります。ケース志望者のレベルが上がっていることから、本番の面接でもノータイムが増えてますね。
所感としては、FBで次もあることを匂わされたため、パスしたかなと思いました!
ただ、最後に指摘されたように、瞬間的に思いついたことをそのまま口にしてしまい、着地点を見失ってしまったことはシンプルに減点だったかと思います。
ローランド・ベルガー│1次面接結果
数日後、エージェントを通じて連絡が来ました。
先日は面接ご対応いただき、ありがとうございました。
選考の結果、きゃりおさんにはぜひ次のステップにお進みいただきたいと思います。
ということで、1次面接は無事通過でした。前回カーニーで涙をのんだため、この段階からガッツポーズです!
次回、2次面接です!

