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ローランド・ベルガー│2次面接体験記(中途採用/ケース面接)

ローランド・ベルガーの2次面接体験記です!

2次面接も1次面接と同様、平日のオンライン開催でした。

目次

ローランド・ベルガー│2次面接内容

面接官

ローランド・ベルガーでマネージャーをやってますXXです。今日はよろしくお願いします。

簡単に自己紹介と志望動機をいただいてもよろしいでしょうか?

きゃりお

はい、改めまして、本日はお時間いただき、ありがとうございます。
XXと申します。現職では~(自己紹介と志望動機を説明)

メールなのかチャットなのかを打っており、ほぼ聞いていない様子…説明は手短に終わらせる

面接官

ありがとうございます。
では、ケースをやりたいと思いますが、LCCって乗ったことありますか?

自己紹介/志望動機は1ミリも触れられず、ケースがスタートします。

きゃりお

格安航空のことで合ってますでしょうか?
1度だけですが、乗ったことがあります

面接官

そうです。じゃ、これをやりましょうか。

とあるLCC運営企業がいるとします。東京・大阪間の路線に新規参入を検討しているとして、参入すべきかどうか?が助言する立場にいるとしましょう。

この参入評価をしてもらいたいのですが、それに先立って、まずは東京・大阪間の移動市場規模を出してもらいたいと思います。数値まで出す必要はなく、算出ロジックを考えてもらうところまででOKです

きゃりお

承知しました、2点ほど質問させてください。

移動市場の定義についてですが、新幹線や航空便等の移動を目的とした市場が対象という理解でよいでしょうか?移動という観点では、モノを運ぶ物流もあるかと思いますが、そちらはスコープアウトの前提でよろしいでしょうか?

面接官

そうですね、前提はその内容で大丈夫です

きゃりお

ありがとうございます。もう1点ですが、東京・大阪間が対象ということですが、この路線において現状LCC便はすでに存在してますでしょうか?

面接官

そうですね、厳密にはありそうな気もしますが、一旦なしという前提で考えてもらえればと思います

きゃりお

承知しました、質問は以上です

面接官

OKです。計算はなしということで、時間は3分でいきましょう。
3分後、お声掛けします

ー 3分経過 -

面接官

3分経ちました、どうでしょうか?

きゃりお

大丈夫です、それでは回答させていただきます。

アプローチとしては、大きく2つ考えられるかと思っています。1つは、東京・大阪それぞれの人口をベースに考える需要サイドのアプローチ、もう1つは新幹線/飛行機などの移動手段のキャパシティをベースとした供給サイドからのアプローチです。

今回のケースは東京・大阪間の移動需要ということで、一定移動手段が限られるため、後者の供給ベースのアプローチで考えるべきだと思いました。

移動手段としては、大きく新幹線、飛行機、バス、自動車が考えられますが、自動車による移動需要は相対的には小さいため除外してます。新幹線、飛行機、バスの3つの市場規模をそれぞれ算出し、合計する方向性がよいと思っています。

算出ロジックは、以下です↓

面接官

ありがとうございます、大枠はいいですね。

いいんだけど、全部一緒ですね・・・それぞれのセグメントの違いというか、それで出せますかね?

きゃりお

ご質問としては、実際に数値を出すうえでパラメータはこれで十分か?ということでしょうか?

面接官

そう捉えていただいてもいいです


ちょっと、違うのか!?

「そう言い切るわけではないが、君がそう思うならば否定しない」といった言外のニュアンスに引っかかるも、処理の仕方がわからずそのまま進める

きゃりお

新幹線は、”運行本数/年”と”1本あたり便数”については、数値感のイメージが難しい気がするため、もう少しかみ砕いてみたほうがいいかと思いました。

“運行本数/年”は【営業時間/日÷発車間隔×営業日数】で求められ、”1本あたり客席数”は【車両数×車両あたり席数】で算出するイメージです

面接官

はい。あとは何かパラメータとしての抜け漏れってないでしょうか?新幹線だけに問わないですけど

終始質問がふわっとしてるな・・と思いながらも、全力で考える

きゃりお

はい…

あ、失礼しました。東京→大阪、大阪→東京の2パターンがあるので、それを考慮して2倍にする必要があります

ものすごく初歩的なミスをしてしまい、微妙な空気が流れる…

面接官

そうですね。往復で2倍変わるとインパクト大きいので、そこは落とさないようにしたいですね。

まあ、いいでしょう。では、この流れで、次の問いに行ければと思います。考えてもらいたいのは、東京・大阪間にLCC運行会社が新たな路線を打ち出すべきかどうか、です。

参入すべきかどうか、について、Yes or Noで回答していただきたいと思っています。こちらは4分でお願いします。

ー 4分経過 -

面接官

そろそろ4分です。検討内容について、ご説明いただけますでしょうか?

きゃりお

承知しました。結論としては、参入すべきでないと考えました

前提として、全くの新規事業を検討する訳ではなく、既存事業における新たな路線設定ということで大きなボトルネックはない想定です。
そのため、検討論点は大きく3つとなります

①東京・大阪間の移動市場は魅力的か
②移動手段を選択する際の顧客の意思決定要因は何か
③意思決定要因を踏まえ、LCC運営会社は競争優位を構築しうるか


①東京・大阪間の移動市場は魅力的か
まずは、東京・大阪間の移動市場についてですが
・中長期的に日本全体の人口は縮小方向ですが、人口の都市集中のトレンドは今後も維持される見通しであり、東京・大阪の人口はそれほど減らないと思っています
・リスクとしては自動運転や空飛ぶ車等の新たな技術革新が考えられますが、いずれも短距離移動がメインで、東京・大阪間の移動手段としては脅威にはなりえないと思いました
・また、今後国として観光政策を強化する方針にあり、外国人観光客の増加インパクトも一定見込めると思っています

そのため、東京・大阪間の移動市場規模は、縮小基調に転じることはなく、現状と同等以上に成長していく思います。

②移動手段を選択する際の顧客の意思決定要因は何か
移動する顧客は誰なのか?ですが、過半はビジネス利用、次いで観光、といったイメージで、その傾向は今後も変わらないと思います。

その上で、ビジネスマンや観光客の意思決定要因が何か?という点ですが、基本的には、A. 移動時間、B. 利便性/柔軟性、C. コスト、で決まると世界だと思いました

A. 移動時間:移動時における時間的な制約はどの程度か
B. 利便性/柔軟性:発着や乗り降りがスムーズか?予約変更等の柔軟性はどうか
C. コスト:移動コストはどの程度か

③意思決定要因を踏まえ、LCC運営会社は競争優位を構築しうるか
この3つの評価軸に関して初期評価しました

A. 移動時間:1h程度で移動できることを考えると、新幹線/バスに対して優位性があると思います
B. 利便性/快適性:航空便は新幹線やバスと比べて、乗り降りの手続きの多さや、キャンセル料など予約/キャンセルの制約が大きい場合が多く、また徹底してコスト重視のため座席空間についても快適とは言い難いです
C. コスト:新幹線と同等程度以上のイメージですが、バスに対しては当然劣後します。そもそも東京・大阪はJAL/ANAのドル箱路線であり、シェア獲得競争に巻き込まれることから、価格優位性を打ち出せるかにも疑問が残ります。

上記を踏まえて、A. のメリットは多少あるものの、B. C.の観点で他の移動手段に劣後すると思われ、東京・大阪間に参入すべきでない、と考えました

面接官

ありがとうございます、大枠は良いと思います。

ボトルネックはないと説明してもらった部分ですが、新たな路線を就航する訳ですよね。費用対効果は当然見るかと思いますが、定量面はどう思いますか?

きゃりお

はい、細かい前提は精査する必要があるかと思いますが、そもそも既存移動手段からスイッチさせることが難しいと思うので、初期的には定量効果は乏しいと思っています

面接官

ただ、もしそれほどコストがかからないとすると、少ないにしても利益は乗ってくるわけじゃないですか。なので、コストに対して利益がどうか、という議論だと思うんですよね。

そこについては、どういう観点で評価していくイメージになりますか?

きゃりお

なるほど、ありがとうございます。

参入にあたって、イニシャルコストとしては、航空機購入/リース、追加路線獲得コスト等があり、ランニングコストとしてはシステム維持管理費用や人件費、燃料/飲食費、保険料、等があるかと思います。

ランニングコストはすでにLCC事業を展開するうえで一定のオペレーション体制は構築済みかと思いますので限定的であり、イニシャルでかかってくる航空機購入/リース、路線獲得コストが売上に見合うかどうか?という点を評価するイメージかなと思います

面接官

ランニングコストは本当に限定的でしょうか?既存の体制をそのまま横展開できる、と・・?

きゃりお

そうですね、相対的にはそう思いましたが・・・

面接官

これまでとは異なる路線特有のコストは発生する気がしますよね。
というか、検証は間違いなく要りますよね。

いまの体制で、そのままやれますでしょうか?

きゃりお

ありがとうございます。

追加の運行オペレーション・サービス体制が必要になります。空港内のラウンジや地上スタッフの体制強化が求められるかもしれません。あとは、保守コストについても、運行頻度が増加することでメンテナンス体制を強化する必要が出てくることもあり得ます。

面接官

うん、メンテナンスもありますね。おそらくコストとしては鉄道などとは比較にならないほど大きそうですよね。

きゃりお

おっしゃる通り、LCCということで最低限のリソースでオペレーションを回していると思われ、追加人員含めた体制構築は必要になりそうです。

その観点も含めて、費用対効果を見極める必要があると思いました

面接官

ありがとうございます。ではケースについては以上とします。

残り時間で何か質問があればお答えしたいと思いますが、いかがでしょうか?

きゃりお

ありがとうございました。
可能であれば本日のフィードバックをいただいてもよろしいでしょうか?

面接官

はい、検討の全体像と結論がわかりやすくまとまっていて、良かったと思いますよ。コミュニケーション能力も非常に高いと感じました。

クイックに議論できている点も好印象だったと思います

ところどころ面接官の反応が読めず、微妙な空気が流れていたシーンもあったが、ポジティブに評価されていてめちゃくちゃうれしい・・・

きゃりお

ありがとうございます、そのようにコメントいただけて大変嬉しいです!

面接官

では今日は終わりましょう、ありがとうございました

きゃりお

本日はありがとうございました!

一喜一憂型の私は、終わった瞬間ガッツポーズです!

航空/鉄道市場の市場評価やGo to Market系のお題は類似ケースを解いていたため、問いをもらった瞬間におおよその方向感が見えていたことはポジティブでした。論理構造とデリバリに気をつけながら、余裕をもって検討/議論を進められたかと思います。

非常にラッキーですが、ある程度対策を積んでると既視感あるお題に直面したりしますので、ケース面接は準備次第の側面がかなり強いですね。

ただ、参入評価のところでコストの観点を完全にロストしてしまったことはシンプルに減点だったと思います。
感覚的にいけそうだと思ったケースこそ、慎重を期することの大切さを改めて認識した面接となりました。

ローランド・ベルガー│2次面接結果

数日後、エージェントを通じて連絡が来ました。

先日は面接ご対応いただき、ありがとうございました。
選考の結果、きゃりおさんには、ぜひ次のステップにお進みいただきたいと思います。

ということで、2次面接は無事通過でした。次回、3次面接です!

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