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ローランド・ベルガー│4次面接体験記(中途採用/ケース面接)

ローランド・ベルガーの4次面接体験記です!

平日夕方のオンライン面接でした。

目次

ローランド・ベルガー│4次面接内容

パートナーということで緊張しながら待機します。

面接官

お待たせしました。ローランド・ベルガー パートナーのXXと言います。本日はよろしくお願いします。

プリンシパルまでは若めの方中心だったのですが、さすがにパートナーは存在感あるダンディな方が出てきました

きゃりお

はじめまして、きゃりおと申します。
こちらこそよろしくお願いいたします!

面接官

簡単にきゃりおさんの自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?

きゃりお

承知しました。新卒でXX会社に入社後、一貫してXXの業務に従事しています。クライアントは自動車業界を中心に~(業務内容を説明)

面接官

自動車業界のご経験もあるのですね。
弊社も経験豊富な領域なのですが、最近はこれまで以上に、ニュースで報じられる機会も増えてると思います。

自動車メーカーの今後について、どのように見てますか?

きゃりお

はい、これまでは車両開発とブランディング重視の戦略だったかと思いますが、トヨタは自動車メーカーの枠を超えてスマートシティの実現に向けて取り組むなど、これまでにない動きを取っています。

CASEやサステナビリティの流れもあり、OEM各社自社のポジションを再定義しようとしているように思います。

いきなり抽象度の高い質問が飛んできて一瞬ひよるも、何とか打ち返す

面接官

では、トヨタ以外で、自由に自動車メーカー1社を想定してみてください。その会社について、少し議論できればと思います。

馴染みがある会社はありますでしょうか?

きゃりお

特にあるわけではないですが、個別企業でいえば、日産はカルロスゴーンが逮捕されて、今後どうなっていくかは個人的に興味があるところではあります

面接官

では、日産としましょう。
日産が今後取るべき戦略は、どういうものだと思いますか?

答えはないです。先ほどお話しいただいたような観点でもいいですが、
今後の成長に向けて、どのようなことをしていけばよいと思いますか?

きゃりお

はい、まずは自動車業界の市場環境が大きく変化しているため、それを踏まえた方向性の検討が必要だと思っています。

日系OEMは海外売上比率も大きく、グローバルで市場の動きを見る必要があるかと思いますが、市場自体は新興国中心に継続拡大していくと思います。

一方で、Google傘下のWaymoやAmazon傘下のZoox等、自動運転の技術革新の流れから、これまでにはいなかった新興企業も競合企業になってきています。そうした構造的な変化を受けて、マグナ等の自動車部品メーカーが、自動車製造受託サービスを売りこみ、自動車業界を塗り替えようとする動きもあります。

そのため、そうした新たなプレイヤーに対してどう対抗していくか?が今後の生き残りを決めるポイントになってくると思います

相手はパートナーです。お気づきの通り、中身のない話を長く喋りすぎました。
さすがのダンディパートナーも、「?」という顔をしてました。

しかし、話し始めてしまったものを途中で止めることはできません。
問いに対する答えを持たないまま、いろんな意味で最後まで逝ってしまいます。

面接官

ありがとうございます。

お話いただいたことを整理すると、自動運転を武器にしたプレイヤーに対してどう対応すべきかを経営アジェンダとして考える必要がある、ということでしょうか?

きゃりお

整理ありがとうございます。はい、そのように考えております

内心滝汗です。
もはや軌道修正困難なため、とりあえずあさっての方向にでもパスを送り出しながら、突破口を探すことに徹します…

面接官

なるほど。一つのシナリオとしてはあると思いますが、蓋然性についてはどう思いますでしょうか?

きゃりお

日産としてこれまでの延長線上で成長をドライブしていく未来は見えにくいため、少し違う角度での検討は必要かと思いました

面接官

確かに論点にはなりうると思いますが、いまの日産の厳しい状況を踏まえると、違う見方も浮かんできそうでしょうか?

きゃりお

そうですね…確かに足もとの日産は経営再建の最中におり、CASEをはじめとする新たな技術開発勝負に真正面から立ち向かうのは資金体力的には厳しいかもしれません

面接官

そうですね。前提としては少し厳しいかもしれませんね。
だとすると、どういう方向感がよいでしょうか?

非常に重要な面接の序盤から、過去最悪のラリーを繰り返します…

技術革新押しのストーリーは別のファームの面接で一定刺さったため、その成功体験に引っ張られてしまい、意気揚々と語り始めてしまったことが諸悪の根源です。

ただ、パートナーリードで、いい具合に軌道修正しようとしてくれてます。

きゃりお

取り得る戦略オプションはいくつか考えられると思います。

ドライバーの走る喜びをくすぐるハードに強い日産を追求するのか、いまの自動車はそのままに中国やインド等の成長市場での販売戦略を強化するのか。

足もとの経営状況を踏まえると、新たな投資を強化するよりは、まずはそうした事業の立て直しに注力すべきかと思います

面接官

なるほど、わかりました

全くわかってない顔でしたが、これ以上掘っても何も出てこないことを悟ったか、議論が切り替わります

面接官

もう一つ、別テーマでディスカッションしましょう。

海外への挑戦といえばテレビ局がありますよね。現状はテレビ局各社、殆ど海外事業売上は上がっていない状況です。国内事業規模が大きいということもありますが、割合でいえば数%程度です。

国内のテレビ局、例えばTBSだとして、どういう戦略を取るべきだと思いますか?

テレビはあまり見ていない人生を送っており、不得意分野だ。しかし、もう後はない。死ぬ気で何とかせねば・・・

きゃりお

ありがとうございます。
TBSの事業理解が乏しいのですが、何らか特徴はありますでしょうか?

面接官

報道番組だったりドラマ、アニメ放送等は他社と違いなく一通り展開してます。

コンテンツとしてはSASUKEやスヌーピーなどが有名でしょうか。SASUKEはNinja Warriorとして海外展開も成功していて、世界中でコアなファンも多いです。

きゃりお

承知しました。それでは、市場環境から少し整理させてください。

・国内のテレビ市場は完全に縮小トレンドかと思います。視聴人口の減少に加えて、NetflixやAmazon Prime等の台頭、若者ではYoutubeやTikTokなどを中心とするSNSに可処分時間を奪われています
・高齢者セグメントの需要は残っているという見方もあるかもしれませんが、思い浮かぶのは時代劇/歴史ドラマ、旅番組等で、コンテンツとしてのホワイトスペースは殆ど残されておらず、狙い撃ちするほどのポテンシャルはない気がします。
・そのため、先ほどの話に迎合する訳ではないのですが、海外での成長を追求すべきだと思いますが、いかがでしょうか?

面接官

方針自体に違和感はないですよ。
どのようにして海外で成長を目指すべきだと思いますか?

きゃりお

はい、先ほどのお話の通り、TBSはSASUKE等のコンテンツ輸出で成功しており、一定の海外事業経験はある、という想定です。

加えて、国内ではスヌーピー等のライセンス権を以て、グッズ展開などの周辺事業で稼いでいるイメージがあります。

「コンテンツを放送して、グッズ等の周辺事業で稼ぐ」という国内での
成功モデルを海外でも実践する方向はあるのではないかと思いました

面接官

それはつまり、現地で売れるコンテンツを開発して、二次利用で稼ぐモデルを作る、ということでしょうか?

きゃりお

それがベストだとは思います。ただ、コンテンツ開発は一定当たり外れのある世界なのではと思います。

成功確率というと製薬業界が似てると思いましたが、薬の成功確率は万に一つと低いため、一定開発ステージが進んだ医薬品を買い取って事業化することに特化するモデルで成功している企業があると認識してます。

エンタメ業界においても現地の良質なコンテンツをピックアップし、その収益化に特化する戦い方を目指すのはあり得る姿なのではと思いました

面接官

いい見方ですね。

ただ、グローバルと言うと広いですが、どこの国/地域でやるのでしょうか?

きゃりお

そうですね・・(少し考える)

現時点で明確に国を言うことは難しいです。そもそもコンテンツ需要があるのか?供給できるのか?の両面での検討が必要かと思います。

需要に関しては、意図するエンタメコンテンツが刺さる国なのかどうか?供給に関しては、現地コンテンツを映像化したりグッズ化したりできる制作会社がいるか?といった観点です。

そうしたクライテリアで対象国は絞り込んでいく必要があると思います

面接官

評価の観点は色々あると思いますし、言ってもらったところもそうだと思います。

ちなみに、需要側のコンテンツが刺さる国はどう評価しますでしょうか?
仮にプロジェクトで国のコンテンツ需要を評価することになったと想定したとして、きゃりおさんであればどう進めようと思いますか?

きゃりお

大きく2つの方向性が考えられるかと思います。
・一つは、各国横並びで、どのようなジャンルのコンテンツに需要があるか?アンケートやインタビューで調査すること
・もう一つは、各国のテレビ局の番組表からジャンルごとの放映時間/視聴率を分析することです

満足げにうなづく面接官。

面接官

後者については、まずはメディアの洗い出しからですかね。

どんなメディアがあり、それらのメディアでどんな映像が流れているか?視聴率まで見れるかはさておき、需要は多く放映されているコンテンツに存在するとの前提に立てば、各国評価はできそうですね。

きゃりお

ありがとうございます。おっしゃる通り、テレビ番組だけではなく、VODのようなサービスも含め、現地メディアの洗い出しがまず必要だと思いました。

どこの国で展開するか?という問いに関して具体的な回答は避け、どういうアプローチで検討すべきか?に持っていけたことは展開としてよかった。ここで、個別具体の国名を言っていれば、理由をうまく説明できず泥沼だったかと思う

面接官

では、議論は以上とします。
最後に質問があれば受け付けたいと思いますが、いかがでしょうか?

きゃりお

コンサルティングファームのパートナーとして、これまで色んなコンサルタントを見られてきたかと思いますが、優秀なコンサルタント/成長し続けているコンサルタントの特徴のようなものはありますでしょうか?

面接官

前提として精神面/体力面でのタフネスは必要ですね。
仕事はエキサイティングですが、相応にハードな仕事ではありますので、そういう気概は前提として必要です。

ただ、それだけでは不十分で、やはり長くパフォームし続けている人の特徴は、「思考することを楽しんでいるかどうか」でしょうか。

決して、大そうなことではなく、「何気なく、プライベートでも考える時間を作っている」だとか、「明日のミーティングでどんな面白いことを言ってやろうか」ということを何気なく習慣的にやっている人です。

小さな差分ですが、その習慣が違いを生んでいると思います

このコメントは、その時はあまり感じなかったですが、実際にコンサルとしてプロジェクトワークをするようになって、味わい深さが感じられます。

きゃりお

ありがとうございます、よくわかりました。
もう一点ですが、パートナーご自身がクライアントワークで一番大切にされていることは何でしょうか?

面接官

色んな要素はありますが、一番はインサイトでしょうか。

経営理論だけで価値を付けることは難しい時代なので、いかにユニークな視点でクライアントを引き付けられるか?が重要です。

逆に言うと、ロジックの積み上げにはそれほど意味がないと思っています。面接においても、精緻なロジックよりも、そうした光る視点があるかどうかを見ています。

きゃりお

ご説明ありがとうございます、大変勉強になります。

面接官

はい、ではその他特になければこれで終了としたいと思います。

きゃりお

本日は、ありがとうございました!

テキストで表現することは難しいが、一貫して仮説ベースでの回答を求められる空気が強く、コントロールすることが難しかったです。

何気ないコミュニケーションから、特定企業の目指すべき姿を問われる面接スタイルであり、いま振り返っても非常にハードな面接だったように思います。

何とかTBSケースでギリギリ持ち返したものの、結局最後まで自分なりのViewを示すことはできなかったため、
「落ちたかもなーーー」と思いました。

特に、日産の成長戦略については1次面接即落ちレベルの頓珍漢な回答をしてしまい、これだけでは間違いなく不合格の内容だったと思います。

ローランド・ベルガー│4次面接結果

数日後、エージェントを通じて連絡が来ました。

先日は面接ご対応いただき、ありがとうございました。
選考の結果、きゃりおさんには次のステップに進んでいただきたいと思います。

首の皮一枚繋がってました…

オファーが出てもおかしくないステージでしたが、オファー連絡ではなくガッカリ、といった気持ちはゼロで、本当に安心したことを覚えています。

ベルガーについては、1次~3次にかけて個人的には自信のある出来だったため、延長戦に持ち込めたのかなと思いました。

序盤の面接でケースで一定のパフォーマンスを示せると、その後のフェーズでケースがいまひとつでも、様子見の延長戦になることがあるので、微妙な空気が流れても諦めず諦めず食い下がるのは大切だと思います。

ということで、鬼門のパートナー面接ははギリギリの通過でした、次回5次面接です!

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