本記事はドリームインキュベータの2次面接体験記です!
ドリームインキュベータ│2次面接内容

本日は面接にお越しいただき、ありがとうございます。
きゃりおさん、ですね。よろしくお願いします。



はい、どうぞよろしくお願いいたします!



先ほどの面接はどうでしたか?ケースはやりましたか?



はい、ケースをやりました。非常に緊張してしまいましたが、持てる力は出し切れたと思います



それはよかったです。では長丁場となりますが、ここからもう一つケースを解いていただきたいと思っております。
さっきは何をやりましたかね?



承知しました。
ケースは、映画館の年間売上の推定と売上向上施策の検討をやりました



わかりました。では、眼鏡ケースをやりましょう。
まずは眼鏡の市場規模を考えて頂けますでしょうか?3分程度お預けしますので、進めていただければと思います。
よろしくお願いします
特に質問させてもらうこともできず、即去っていきました。
目も充血気味だったし、そんなにも仕事が忙しいのだろうか…
事業会社であれば夜更かししちゃったのかなとか思いますが、コンサルファームで目の当たりにすると軽い恐怖を覚えます。
すぐさま我に返り、取り掛かります。
式自体はプレーンなもので行こうと即決断。
セグメント分けをどうしようか。
差分が出そうなのはお金があってメガネを複数本持ってる社会人と、そうでない学生、かな。
高齢者は視力変化に疎くて買替年数も長そうだから、ここも分けて考えないといけないかな。
そうすると、3セグメントか。急がねば。
ー 3分経過 ー



そろそろいかがでしょうか?



はい、大丈夫です。
結論としては、6600億円と推定しました。
需要ベースで立式し、特に保有率や保有数、買替年数に差分が出ることから、学生・社会人・高齢者の3セグメントに分けて計算しております


- 保有率:年齢が上がるにつれて視力の悪化傾向が高まるため、保有率が大きくなる想定
- 保有数:社会人・高齢者は用途別に使い分けることも多く、2人に1人は2本持つ前提で1.5本
- 買替年数:学生・社会人は視力変化が激しい傾向から高頻度に買い替える想定で2年、高齢者は4年
- 単価:経済的に余裕のある社会人は3万、学生・高齢者はその半分の想定



ありがとうございます。
スコープを確認したいのですが、サングラスとかおしゃれメガネとかは含んでいないでしょうか?



はい、含んでおりません



数値の妥当性ついてはどう思いますでしょうか?



そうですね。似たような価格帯の商材としては家電があり、2000-3000億円のものが多いと思います。
メガネの場合は世帯ごとではなく、個人が複数本保有するケースもあることから、その倍としてもそれほど違和感はないかなと思います



なるほど。では、もし精緻化するとしたら、どのパラメータですかね?



保有率は相対的な大小を踏まえてクイックに置いてますが、もう少しブレイクダウンしてもいいかなと思います。
が、視力が悪い人はおおよそ眼鏡を購入することになると思われ、割合が大きく変動することはないかもしれません。
他では、えーっと・・



えー、保有数は社会人・高齢者は1.5本ということですね。
これらを等しく2年に1回買い替えるのでしょうか?
つまり、2本持ってる人は、毎年買い替えですか?



そうですね、そこが少し大きくなっているかもしれません。
メガネを毎日使い分けるような人は稀で、殆どの人は1本使いな気がします。使い分けはどちらかというとメガネとコンタクトで多く発生する気がします。
ですので、一本当たりの買替年数としては、もう少し長くなるかと思いました



わかりました。
少し質問を変えますが、眼鏡の市場規模は過去から現在にかけてどう推移してきたと思いますか?



はい、減少してきたと思います。
特に価格のドライバーが落ちており、SPAモデルで価格破壊してきたJINSやZoffの台頭で市場価格が下がっていることが要因としてあります



そうですね。では現在から今後にかけてはどうなると推測しますでしょうか?
答えはないので、見立てで大丈夫です。



はい、価格はすでに底をついているため、今後さらに下落していくことは考えにくいです。
人口は年々減少していきますが、短期目線では数%程度の減少幅なので、市場インパクトはそれほど大きくないと思います。
足もとはデジタル化の流れから学生のメガネ比率も大きく上がっていると聞きますので、人口減少影響を相殺するか、むしろ全体としては微増かもしれません。
いいですね、ありがとうございます。
ではこの流れで、眼鏡メーカーの売上向上施策を検討いただければと思います。時間は5分程度差し上げたいと思います。
では、お願いします
またしても充血系コンサルタントはすぐさま去っていった。
しかし先ほどの議論でいい観点のヒントをもらった。
価格はこれまで下がり続けていて、すでに底をついている。
視力矯正用メガネは過当競争に陥っており、その領域で勝ち抜くことは難しい。
デジタル化などのマクロトレンドと消費者ニーズの掛け合わせで、何らか面白ポイントを打ち出せないか。
さっきの映画館の施策はチープだったし、そこの改善を示したいところだ。
そんな思考が頭の中をかけ巡ります。
ー 5分経過 ―



回答させていただきます。
施策としては、健康・安心に気を使う高齢者向けに、ヘルスケア機能を搭載したメガネを販売するのがよいかと思いました。
検討内容について、①市場・競争環境を踏まえた戦略方向性、②ターゲット顧客・ニーズ、③施策の方向性の順でご説明します。
①市場・競争環境を踏まえた戦略方向性
SPA企業がシェアを伸ばし、価格破壊により流通数は増えたものの単価が落ち込んで、縮小してきた市場です。
また、ブルーライトカット・紫外線カット等の機能もいろいろ拡充されてきたものの、足もとはおおよそ一巡しているように思います。
一部ではおしゃれメガネの普及も進んでると思いますが、そもそもメガネは「悪くなった視力を矯正したい」という消極的な動機から必要とされるものであり、市場に深く浸透していくことは考えにくいです。
そのため、視力矯正や眼球保護といった目に関するニーズとは異なるニーズ・ペインを打つプロダクトに変容させたものが必要ではないかと思います。
②ターゲット顧客・ニーズ
より高価格を勝ち取るためにはどうすべきか、高価格を払ってくれる人はどういったニーズを持っているか、を考えていきました。
ターゲットは高齢者です。とにかくメガネ保有率も高く、今後人口もますます増えていくことから、狙うべきセグメントと考えました。
高齢者の周辺ニーズ/ペインを考えていくと、
・ 心拍などのバイタル管理で病気を予防したい
・ 記憶力や認知機能の低下に対する不安がある
・ 独居高齢者の増加もあり、家族の「見守りニーズ」が高まっている
といったことが挙げられるかと思います。
また、高齢者の購買意思決定プロセスを考えると、自分で商品購買を意思決定するシーンは少なくなり、周囲から推奨されて購買に至るケースが多いのではないかと思います。
健康診断などで健康状態や認知機能の悪化を指摘され、それらの対応策となる商品をオススメされて購買に至るイメージです。
③施策の方向性
そのため、施策としては、高齢者の健康・安心に貢献するヘルスケア機能を搭載したメガネを開発し、販売することを考えました。
それらを医療/介護事業者より高齢者に推奨販売してもらうスキームを組むことができれば、売上は伸びていくのではないでしょうか。
単なるメガネではなく、「健康と安心を守るメガネ」 として訴求をしていく方向性がよいかと考えました。
以上です



ありがとうございました。
具体的にどういったヘルスケア機能をつけるのでしょうか?



はい、具体的には、眼球運動から疲労状態を推測する、心拍数から心疾患などの早期発見に役立てる、といった機能のイメージです



なるほど。
それはメガネでありえるんですかね?



要検証ですが、眼鏡も一種のウェアラブル端末という見方をすれば、そうしたヘルスケア的な機能はハマるのではないかと思いました。



いったんわかりました。
ちなみに、ターゲット顧客は高齢者とのことですが、年金暮らしの人がマジョリティではないでしょうか?



マジョリティはそうだと思います。
ただ、中にはお金を持ってる人もいますし、健康意識が高い人も多くいると思うので、お金を落とす人も多いのではないかなと思います。



うんー。
もう少しミドル世代で、お金を持っててかつヘルスケアに興味のある世代の方がいいのでは、という気もしましたけど、どうでしょうか。
高齢者がそうしたものを使いこなせるのか、というのも点もあります。
あと気になったのは、類似製品としてApple Watchとか、Fitbitとかがありますよね。より使いやすい気もします。
そことの差別化はどう考えますでしょうか?



具体的な機能面はまだ考えきれていない部分もありますが、目の周りから分かるヘルスケアデータを抽出することになる点で違うかなと思います



違いはありますかね?
データ量もスマートウォッチの方がいろいろ取れそうかなという気もしますが、どう思いますか?



そうですね…すみません、前言撤回させてください、差別化にフォーカスしすぎなくても良いかなと思います。
高齢者だと薬の飲み忘れが多いと聞いたことがありますが、実際にスマートウォッチの付け忘れもあるかなと思います。
メガネの場合は目が悪い人はほぼ確実に付けると思いますので、付け忘れ防止の観点でも可能性がある気がしました



優位な点もあるのでは、ということですね。まあ、そういう見方もありますかね。わかりました
ぎり、なんとなくの納得感は作れたかなと思いました。
1次面接の反省を活かし、保有数を増やすためにファッション目的のメガネを拡充する、といったドライバー改善目線の安直な施策に陥らずに進められた気がしました。
ただ、何とか切り返しましたものの、普通にスマートウォッチとの差別化は難しいなと思いました。



ケースは以上とします。何かご質問などありますでしょうか?



ありがとうございました!
差し支えなければ、本日のケースのFBをいただいてもよろしいでしょうか?



はい、市場環境の分析があってよかったです。
顧客ターゲット議論だけだとマーケ論に視点が落ちますが、市場理解・解釈の説明が先に来ていたため経営論としてまとめられていたと思います。
気になったのは主語の説明が抜け落ちていたところでしょうか。
明示していなかったと思いますが、どんな企業でも取れる施策ではないと思うので、対象企業を明らかにして、対象企業だからこそ取れる施策であることを説明できるといいと思います
充血系コンサルタントが前提質問の時間をくれなかったからだ、と言い訳したくなりましたが、その後も前提をすっかり落としてしまってました。
というか、フェルミでも落としてしまってました。
また、突っ込まれはしなかったですが、施策の目標感もあいまいだったと思いますので、そこも要改善です。
「プロダクトからテコ入れして、生産・販売体制を構築して、具体的な売上を上げていく」といったかなり時間を要する施策となってたので、このあたりは反省材料だったなと思います。
ドリームインキュベータ│2次面接結果
数日後、エージェントから連絡がありました。



ドリームインキュベータから面接通過の連絡がございました。
3次面接の調整をしたいと思いますので、いくつか候補日をいただけますでしょうか?
当時のエージェントのメールを見返したところ、志望度の低い会社のオファーは辞退したりしてたので、不穏さが漂う通過連絡となってましたw
ベーシックなお題についてはある程度のクオリティで回答できるようになってきており、DIは自信が持てた2連チャンとなりました。
以上、2次面接体験記でした、次回3次面接です!