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三菱商事│1次面接体験記(中途採用)

コンサル転職活動に勤しんでいたところ、担当エージェントから三菱商事が中途採用を強化しているとの連絡とともに、求人が送られてきました。

言わずと知れた国内最難関企業で、年収水準もすこぶる高い。
採用HPをのぞいてみたところ、志望するコンサルティングファームにはない圧倒的キラキラ感を感じ、新卒採用時代が思い出されました。

現職のルーティンワークが嫌でコンサルタントになることを志したことが転職活動のきっかけであり、また商社のカルチャーは自分には合わないだろうなとは思いつつ、WEBテスト/Behavior対策にはなる、ということで色々目を瞑りながらミーハー魂で速攻応募することを決意。

WEBテスト対策と商社の志望動機を進め、半ばノリで選考に挑むことにしました。

目次

三菱商事│選考フロー

選考フローは以下のような形でした!

選考フロー

書類選考→Webテスト→1次面接→2次面接→3次面接(&健康診断)

書類選考前に採用HP上で、募集部門の事業概要と求める人物像に関して説明動画が落ちており、それを見て応募部門を検討する流れとなってました(当時はインタラクティブなセミナー形式ではなかったです)

書類選考の後は、CASECと玉手箱(言語・非言語・英語)のテストに対応する必要がありました。
※2025年現在では、CASECのテストはなく、玉手箱に一本化されているようです。これは応募者側にとって、相当な負荷軽減ですね!

なお、注意点として、

  • 部門によっては、100名以上の応募に対してオファー提示は0ということもある世界
  • 部門ごとに、求める勤務企業/経験、年齢イメージ等のクライテリアが具体的に設定されている

といったアンコントローラブルな要素があるため、応募タイミングにおける採用需要がどの程度か?を、事前に把握しておくことが非常に重要です。

というのも、部門別でまったく異なる会社と言っていいほど、内定難度が異なるためです。

  • ジェネラルな事業部門に見えたとしても、「新卒就活におけるTop Tierにあたるような企業在籍者を採用したい」、「特定の業種・職種経験者スペシフィックに採用したい」といった具体的なニーズがあることがあります
  • また、「このタームでは3名程度採用したい」といった数値目標がある部門と、「特にいい人がいる場合に限って、1名採用したい」といった部門が存在します

How to Winの前にWhere to Playです。自分の属性を踏まえて、どの部門であれば、勝機がありそうか?見極める必要があります。
ここを外すと、どれほど面接のパフォーマンスが良くてもチャンスは限られるため、応募検討のインプットとして情報入手しておきたいところです。

この辺りはエージェントの協力を仰ぎながら、「いつ?どの部門を受けるか?」決めるのが良いと思います。
私は、「前タームでは募集ゼロだったが、若手中心に退職が相次いでいて、急遽複数名の採用ニーズが発生した部門がある」とのことで、そこに突撃することにしました!

なお、1次~3次までの面接官はこのような形で進んでいきます。

  • 1次:応募部署の部長
  • 2次:応募部署の本部長
  • 3次:応募部署とは別部署の役員

1~2次面接では応募部署とのフィット、3次面接で三菱商事とのフィットを確認されるイメージとなります。

無事、書類選考とWEBテストを通過し、1次面接突入です!

エージェント

書類選考/WEBテストの通過率は20%程度のイメージです。
すでに一定絞りこまれているので、ぜひ頑張ってきてください!

自分がアプライした部門の1次面接は、ざっくり10名くらいのスロットがあり、そこから希望日程を選択する形となってました。

三菱商事│1次面接内容

面接官1

お待たせしました。
本日は当社面接のお時間をいただき、ありがとうございます。
私は、XX部で部長を務めているXXと申します。

弊社側は3名で対応させていただきたい思います、よろしくお願いします。

3名とも、それぞれのPCから入ってましたが、同じ会議室にいる雰囲気でした。
それぞれの担当者から簡単な自己紹介をされます

きゃりお

ご丁寧にありがとうございます。
こちらこそ、本日はよろしくお願いいたします!

面接官1

時間が限られますので、エントリーシートについては事前に拝見してます。

まずは、現職で一番注力したこと・最大限成果を発揮したことについて、教えていただけますでしょうか?

きゃりお

はい、最も注力したことはXXの新規事業立ち上げです。
ゼロから新たな検討課題を設定して、チームメンバーを巻き込みながら
事業化まで実現したことが最大の成果となります

面接官1

XXの事業ということですが、具体的にどのような価値を生み出しているのでしょうか?

きゃりお

ポイントは大きく2つあり、1つ目はXX、2つ目はXXです

面接官1

なるほど、どの程度の規模感で推進しているのでしょうか?

きゃりお

合計10名程度です。

当初は有志の人間を募って3名で進めていたのですが、事業としての見通しがついたため、正式にタスクフォースが組成され、現在は10名程度となっております

面接官1

きゃりおさんはどのような役割を担っていますか?

きゃりお

はい、事業案の発起人として、コンセプトの立案から業務オペレーションの設計、システムの実装までの全体管理を行っています。

外部コンサルも入っているため、その窓口担当も私の役割となります

面接官1

ほお、なぜそれをやろうと思ったのでしょうか?

きゃりお

はい、既存事業の延長線上にはない、何か新しいチャレンジをしたいと考えていたということが前提としてあります。

海外ではXXの会社がXXで大きく成功していることを知り、これはXXの観点で自社事業にもフィットするのではないか、と思ったことがきっかけです。

面接官1

なるほど。新しいチャレンジとなると、課題も多かったのではないかと想像しますが、実際はどうでしたでしょうか?

きゃりお

おっしゃる通りです。これまでの成功体験を一部否定する側面もあったことで特にベテラン社員中心に反発の声がありました。

周囲を動かせないと絵餅で終わるため、その抵抗感をいかにマネージし、事業に落とし込んでいくか?は課題でした

面接官1

わかりました。そうした課題はありながらも見事成功をおさめられている、と。

今後、その事業をどのように発展させていくかについて、考えがあれば教えて頂けますか?

きゃりお

まずはこの事業を国内でスケールさせていきたいと思っていますが、その後はこの成功モデルを海外に輸出していくことを構想としては考えています。

特にXXの地域はXXの点で事業環境が類似しており、親和性が高いと見ています

面接官1

ありがとうございます。

それでは他のメンバーからも質問させていただきたいと思います

質問者が変わりました

面接官2

よろしくお願いいたします。

現職でも評価されていると思いますが、より商社が良い、ということなのでしょうか?

やや質問のカットが独特だが、商社の志望動機を問われていると捉えて、事前に用意していた回答を答える

きゃりお

はい、現職でも新規事業立ち上げの面で一定経験を積めていますが、商社ではよりスケールの大きいチャレンジができると思っています。

ゼロイチで規模の大きな事業を作り上げていくのは相当難しいと思いますが、商社の幅広いネットワークを活かして、多様な企業とパートナーシップを組みながら推進することでこれまでにない新たな事業を作り上げられる可能性があると思っております。

そうしたアセットは商社の優位性だと考えております

面接官2

わかりました。

具体的にやりたいことのイメージはありますか

きゃりお

はい、御社はXX会社に投資したうえで、サービス事業の強化に注力しようとされているものと認識しております。

今後、そのサービス事業を拡大させていくにあたってはXXが課題になるのではないかと思っていますが、私はXXの知見/経験を持ち合わせており、その点において貢献できればと思っております

面接官2

なるほど。確かに、そのように見えるかもしれませんね。

投資の狙いはどちらかというとXX会社のサービス単体の成長というよりは、XXを実現させるためのミッシングピース補完の意味合いが強いのですよね。

もし希望する業務に携われないとすると、どうしますか?

きゃりお

ありがとうございます。
現時点で、事業内容そのものに強い拘りがあるという訳ではなく、検討課題を設定して、新たな事業開発に挑戦することがやりたいことなので、それができる環境であれば問題ございません

本丸の質問に対して、ふわっとした回答をしてしまう。
ググって出てきたものベースに用意していた付け焼刃的な準備では入社後やりたいことが刺さらず、却って攻め込まれる展開になってしまった。

とはいえ公開情報ベースで、やりたいことの解像度をあげることは難しい…

面接官2

ありがとうございます。

商社に対して、どのようなイメージを持っていますか?

きゃりお

?(抽象度が高く、質問の意図を確認)

それは商社という業界に対するイメージでしょうか?あるいは、社員の方々に関してでしょうか?

面接官2

どちらでもいいですよ。客観的に掴みにくいところもあると思うのですが、どのように見られているのかなと思いまして

きゃりお

ありがとうございます。他の業界との違いという観点では、幅広い領域における事業セグメントがあることだと思っています。

ただ、良し悪しがあり、これまでは部門縦割りの活動中心でコングロマリットディスカウントが効いてしまっている、というのが市場の客観的な評価だったと思います。

一方で、足もとはXXとXXのコラボレーションをはじめとして領域に閉じない横断的な取り組みが加速しており、今後はコングロマリットプレミアムを生み出していける可能性のある業界だと捉えております

ニュースで見ていたコングロマリット論を商社にはめ込み、咄嗟にナイスな回答を繰り出す

面接官2

そういう見方はありますね。
ちなみに、社員に関しては、どうでしょうか?

きゃりお

世界中を飛び回りながら、各国で事業展開されていると思いますので、
高いコミュニケーション能力はさることながら、体力的・精神的に非常にタフな方が多いイメージです

社員については、正直イメージが湧いていない…
飲みの場で大活躍している姿が脳裏をよぎったが、そんなことは言えないので、教科書っぽい回答に閉じる

面接官2

ありがとうございます。私からの見方は以上です

面接官3

続いて、私の方からもいくつかご質問させて頂ければと思います。

きゃりおさんの強みは何ですか?

きゃりお

強みは企画力と実行力です。

これまで、足もとの課題を見極めて、それを解決する事業を作り上げてきました。

また、推進する中で困難にぶち当たることもありますが、最後までやり抜くことを大切にしてきたので、そうした強みを生かしながら御社にも貢献できればと思っております。

面接官3

ありがとうございます。

逆に、弱みは何でしょうか?周囲からどのように言われるか?という観点でお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか?

きゃりお

そうですね…

誤解を恐れずに申し上げますと、よく炎上を起こす人だと言われることがあります。

既存の枠を超えて、新たな挑戦を仕掛けていくことを大切にしているので、その過程で出てくる周囲の否定意見や反発は少なからずあり、そうした側面からそのように言われていると解釈しております

面接官3

それは、炎上したいということですか・・?

きゃりお

いえ、炎上はできる限り回避したいと思っています!

ただ、その先にあるゴール/方向性がアラインしていれば、早い段階で反対意見を洗い出しておくことは大切だと思うので、炎上をコントロールして、最後までやり切る、ということを大切にしたいと思っています

焦って、”大切”を2回も言ってしまった…

弱みに関して、プレーンに回答すればよかったものを、”周囲からどのように言われるか?”というニュアンスに引っ張られてしまい、咄嗟に出てきたワードで地雷を踏んでしまいそうになる(踏んでいたかもしれない)

面接官3

海外駐在のご経験はありますか?英語は使えますでしょうか?

きゃりお

駐在経験はございません。

ただ、海外拠点とのコミュニケーションは日常的に行っているため、ビジネスレベルではあると思っております

面接官3

わかりました。

商社で歩むことになるキャリアはポートフォリオマネジメントか、投資先の事業経営のどちらかなのですが、きゃりおさんの志向はどちらにありますでしょうか?
現時点のお考えで大丈夫です。

きゃりお

後者です。

目標を設定して、その実現に向けてチームで乗り越えていくプロセスにやりがいを覚えるタイプのため、事業投資先での経営にいつか携わりたいと思っています

面接官3

承知しました。こちらからの質問は以上です。

面接官1

ありがとうございました。一通りお聞きしたいことはお聞きできたかと思います。

最後にきゃりおさんの方から何か質問などあればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか?

きゃりお

ありがとうございます。
今回の選考で特に採用したい人物像がもしあれば、教えて頂いてもよろしいでしょうか?

面接官1

基本は人物本位で採用したいと思っています。ただ、いくつも新しい事業を走らせており、その中でデジタル文脈での要求が増えていることは確かです。

ですので、デジタル関連の経験豊富な方がいらっしゃればぜひ採用したいですね。デジタルとの掛け合わせは今後どの領域でも必要となると思ってますが、特にXX部門は現状はBiz寄りに偏ってて、そこの人材は手薄です。

デジタルプロダクトやサービスの開発ド真ん中の経験がある人がいれば是非、というところです

やはりデジタルケイパビリティのある方は需要は大きそうだなーと思いました。
自分も一定の経験はあったものの、トーンとしてはもっとゴリゴリのテクノロジーセントリックな人をイメージしてるのかなと感じました。

特にIT経験豊富な人は商社を見ない気もしており、需給ギャップが大きそうです。

面接官1

それでは本日の面接は以上となります。
結果はマイページ経由でご連絡します。本日はありがとうございました。

これまでの経歴と実績、商社の志望動機とやりたいこと、パーソナルな質問、の3本立てで、30分構成でした!

感覚的には、「受かったかなー」と思いました。
改善点はあるものの、全体として端的に答えられ、うまくまとめられたかなと思ったためです

三菱商事│1次面接結果

翌週、マイページにて結果の連絡が来ました!

この度は、1次面接を受験頂き、ありがとうございました。
慎重に検討させて頂きましたが、残念ながら今回は貴意に沿いかねる結果となりましたこと、ご連絡申し上げます。
今後のきゃりお様のご活躍をお祈り申し上げます。


え・・・

うそでしょ・・・・!?

落ちてるじゃん・・・


1次面接終了直後から、「2次面接ではどんなことを言おうか」、「面接の時間は、お昼過ぎくらいがいいかな」などと考えていたため、1次落ちはまったく想定できていませんでした…

ただ冷静に振り返ると、全体的に淡白にまとまった印象で、客観的にいい人材に見えたか?というとNoだったと思います。また、最後の最後に求める人材要件にフィットしていないことを匂わされていた気もします。

こちらから、「こんな活躍ができます!」ということを訴求できていればよかったですが、そこもすこぶる弱かったです。

中途は応募部門を決め打ちで進めることになるため、「部門としてどんな方向感での成長を目指していて、そこに対して自分がどうハマるか?」解像度の高い訴求が必要だと感じましたが、ぼやっとしており埋もれてしまった感がありました。

そうした部分も含めて、単純にスキル/経験ともに三菱商事の社員に秀でている部分は少なく、求められるレベルに達していないと判断されたのだと思います。

エージェント

仕方ないです。決してきゃりおさんが悪かったということではなく、
もっと他に良い人がいた、ということだと思います。

最終面接の段階で今回は女性採用だ!と役員が決めるとそこまで、ということもあります。

気にせず、引き続き頑張っていきましょう!

エージェントからも励ましの言葉をもらい、前を向くことにします。

これにて、三菱商事の挑戦は終了です!

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