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三井物産│1次面接体験記(中途採用)

三菱商事は1次面接であえなく散ってしまいました。

とはいえ、選考対策を進める中で商社の仕事のダイナミズムにも興味が芽生え、特に事業投資先の経営に関与できるのは非常に楽しそうだなと思うようになってました。

改めて準備をして、半年後、三井物産の選考に臨むことにしました。

コンサル対策の傍ら、物産面接でもできる限り善戦できるよう、全力で対策していきました!

目次

三井物産│選考対策

商社業界研究

これを機に、しっかり業界研究からやり直すことを決意。
以下のようなソースにあたりながら、商社業界のインプットを進めていきました

  • 業界研究本:よくある業界研究本を数冊読み込み、業界の歴史や事業構造について学ぶ
  • レポート:ネット上の論考やレポートを活用しながら、インプットを加速。特に中の人が総合商社のビジネスモデルについて執筆していた研究論文等が非常に有益でした
  • IR資料:中計/各事業部門の戦略方向性を確認。各社の違いを構造的に理解すべく、物産以外のIRもローラー作戦で読み込み
  • プレスリリース:応募部門の主な投資領域をこれまでのプレスリリースでトラックし、事業動向をチェック

エージェントからの情報収集

いわゆる過去問収集です。過去に面接官から、どんな質問が繰り出されたか?を洗い出していきました。
ジェネラルな質問メインで突飛な質問は殆どなかったですが、これは商社以外の面接対策としても役に立ちました。

加えて、部門別の募集人数・前職イメージを確認し、自分の経歴を踏まえて狙いやすい部署を選定しました。

物産はエクセルで募集部門別に求める人材像を管理しており、エージェント限りとして配布しているため、それを何とかして入手したいところです(エージェント担当者によっては、その情報を見せてくれることがあります笑)

想定QAの作りこみ

これまでふわっとしていた回答内容はすべて構造化して整理し、徹底して結論ファーストで回答できるよう準備。

構造化しておくことで、深掘り質問にも耐えられます。
また、面接官によってはあまり反応がないこともありますが、雰囲気を見ながら、結論に加えてもう少し具体的な内容を差し込むなど、適切な粒度感での受け答えができるようになった実感があります。

想定外の質問はどうしても結論ファーストで答えられないこともあるため、少なくとも想定しうる質問はすべて構造化して準備していきました。

現役社員へのヒアリング

公開情報ベースで自分の回答クオリティを高めていくことに限界を感じていたため(無理だと悟ったため)、現役社員の方にインタビューすることを試みました。

新卒ではないためOB訪問というワザは使えず、Likedinで応募部門の社員を発掘し、「これこれこういう事情のため、ヒアリングさせていただけないか?」とDMでコンタクトしてみました。

「返事来ないだろうなあ」と思っていましたが意外にも快諾していただける方が多く、また、その方経由で中にいる中途社員を芋づる式に紹介してもらうことができました。

結論、取った対策の中では、これが最も有効でした。

実際に転職に成功した非常に優秀な社員の方と話すことで、求められるレベル感を把握することができました。

・実際に志望動機ややりたいことをどのように話していたか?
・現在の業務と直面している課題、今後どのように解決していくことを考えているか?

等を中心にダウンロードさせてもらい、それを自分の文脈に落とし込むことで、想定QAの解像度を高めていくことができました。

また、人によっては現場で登場してくる面接官の志向なども共有いただけ、そうした情報も有益でした。
効果のほどは不明ですが、選考後面接官が事前にコンタクトした人にヒアリングを行うことがあると聞いたため、その観点でもご利益があるかもしれません

三井物産│選考フロー

選考フロー

セミナー→書類選考&WEBテスト→1次面接→2次面接→3次面接

  • 書類選考:かなりHeavyな内容で、応募気力を失わせるレベルでの文字数が求められます笑。ここは、ヒアリングに協力してくださった社員のインプットをベースに、極力抽象的な表現は避けながら記載していきました
  • WEBテスト:玉手箱(言語・非言語・英語)のみでした。エージェント情報ではWEBテストは過半が通過するとのことでしたが、抜かりなく対策した上で挑みました
  • 面接:トータル面接回数は3回です。対応する面接官の役職は以下のような形でした。少し前の情報になりますが、組織体制は今も大きく変わってなさそうなので、おそらく同じような感じで進むかと思います
    • 1次:室長
    • 2次:部長
    • 3次:本部長

現在は1次面接前に外部企業によるスクリーニングが行われているようです。応募者側からしたら、「よくわからん外注屋さんに落とされた・・・」という声が後を絶たないみたいですが、1クールごとの応募者は3,000人程度の規模になっているようで、何らか線引きしないと受け入れ側の限界があるということで致し方ない面もありそうです

なお、ここだけの有益情報ですが、物産については、部門によって嘱託社員ルートでの応募が可能なことがあります!

年数回のキャリア採用選考は本社人事がコントロールしていますが、嘱託採用は部門人事による採用のため、難易度もキャリア採用より遥かにイージーになるようです。

本気で物産に行きたい人は選択肢の一つとしてぜひ検討したいところですね。

注意点としては、

  • 嘱託採用の場合は5年満期の採用であり、ボーナス/退職金の支給はなし
  • ベースの給与は正社員とは別テーブルとなっており、部門によって正社員対比で高いこともあれば低いこともあり
  • 5年の間で継続雇用を希望する場合は在籍中に中途採用選考を受けることになる(その場合の通過率は、通常の採用選考より遥かに高い)

といったところでしょうか。
きゃりおも当ルートでの応募を一時検討するも、「入社するのであれば正社員だよな・・・」という思考だったので、正規のルートで応募することにしました!

マイページ上で確認できた1次面接のスロットはおおよそ20程度ありました。

面接の形式はオフィスでのF2Fで、会議室がいくつかあり、部門それぞれで面接を進めているように見えました。
待機部屋が用意されており、10分前にはそこに着いて前の面接が終了するのを待ちます。面接官に呼ばれたら入室する形です

三井物産│1次面接内容

きゃりお

コン、コン、コン

頼もう!(心の声)

面接官(人事)

お入りください!

きゃりお

はじめまして、きゃりおと申します!
本日はお忙しい中、ありがとうございます!

面接官(人事)

こちらこそありがとうございます。どうぞお座りください

面接官は2名であった。特に自己紹介はなかったが、一人はセミナーを取り仕切っていた人事担当であった。
もう一人のシュッとした出で立ちの方が室長なのだろう

面接官(人事)

本日は20-30分程度、きゃりおさんのこれまでのご経験を中心にお伺いできればと思います。

まずは簡単に自己紹介と志望動機をお願いしてもよろしいでしょうか?

きゃりお

承知しました。改めまして本日はお時間いただき、ありがとうございます。XXと申します。XX会社に入社後、主にXXの業務に従事しています。

志望動機は、XXのような事業開発に注力していきたいと考えているためです。御社は現在XXに出資してXXを推進されていると思いますが、これは長期的にXXを実現することを目的とした取り組みだと理解しております。

私自身は、現職でXXの事業開発を推進しており、その経験を活かしながらXXに貢献していきたいとの理由から御社を志望しています!

優秀な社員のViewをチューニングさせてもらった志望動機を語る

面接官(人事)

ありがとうございます。

現職の仕事を理解させていただければと思いますが、えーっと、事業開発中心ということで合ってますでしょうか?

きゃりお

はい、メインは事業開発です。

ただ、ロールとしてはXXの業務もあり、XXが3割、新規事業開発が7割といった塩梅となります。

面接官(人事)

レポートラインはどうなっているのでしょうか?
XXの方なのか、事業開発の方なのか?

きゃりお

どちらもです。
現在部署を兼任しており、XXと、事業開発の両方の部署に所属している形となっております。

面接官(人事)

わかりました。
現職におけるきゃりおさんならではの成果は何でしょうか?

きゃりお

はい、XXの事業開発です。
ゼロから検討課題を設定して、事業の構想を描き、業務/システムの実装まで一貫してリードしながらローンチまで推進しました。

売上はまだ小さいですが、これまでにない新たな収益モデルを創出したという点で一番の成果だと思っております

面接官(人事)

なるほど。それはどのような課題にアドレスするものなのでしょうか?

きゃりお

(現在の業務課題とそれに対する事業内容を説明)

その後、いくつか事業の中身に関する追加質問が入る

面接官(人事)

弊社も数々の事業開発を進めていますが、全ての案件がうまく行っているわけではなく、中には頓挫しているものもあります。

成功する事業のポイントって何だと思いますか?

きゃりお

色んなファクターがあるかと思いますので、一概には言えないところかとは思いますが、担当者のコミットメントは重要だと思います。

実際に進める中で社内から反発の声はありましたが、そうした人達も上手く巻き込みながら、力強く推進していくところは一番苦労したところでした。

ですので、諦めずに立ち向かい、最後までやり切る力のある社員を起用できるかどうか、はやはり大きいと思います

面接官(人事)

ありがとうございます。

弊社も色んな人たちがいるので、その人達とベクトル合わせして、一枚岩になって推進していく、というのは非常にエネルギーを使うところなんですよね。

きゃりおさんは、そうした局面でどういったことに気を付けながら進めていこうと思いますか?

きゃりお

はい、事業企画の段階からキーマンを巻き込むことには注意するかと思います。

実行段階になって、揺り戻しが起きると根底から企画倒れになるリスクがあると思いますので、起案フェーズからキーマンを巻き込みながら事業推進上想定される課題については洗い出しておくことが必要だと思っています

面接官(人事)

実際に仕事を進める中で周囲の社員とコンフリクトがあったとしたら、どのように対処しようと思いますか?

きゃりお

はい、議論を十分に尽くすほかないと思っています。

先に申し上げた通り、腹落ち感のないままアラインして進めてしまうと、必ず後になって軋轢が生じると思いますので、そもそも何のために議論しているのか?目的に立ち返りながら、建設的な議論をするようにするかと思います

面接官(人事)

なるほど。もう一段深掘りしたいのですが、ビジネスなので意思決定しないといけないシーンってありますよね。

意見が割れた状態でも進める必要があることもあります。そのような際には、どうしますか?

きゃりお

そうですね…

難しいですが、意見の対立点がどこにあるか次第でしょうか。目標/目的なのか、意思決定のため判断基準なのか、最終的な意思決定の部分なのか。

目標/目的も判断基準もすり合っていて、意思決定の部分で異なる、ということであれば、それは最終的に責任を負う人の判断を尊重すべきだと思います

面接官の頷く様子が垣間見える。

マネジメントの観点での質問については意図的に掘り下げられた感覚がありました。
年齢的には管理職採用ではなかったはずですが、事業会社への出向機会も多くある部署であったため、出向した際にうまく現場をマネジメントできるかを想定した質問だったかなと思われます。

ここでイケオジ面接官に切り替わります

面接官(室長)

最初に志望動機でXXに興味があるということを話してくれていましたけど、それは現職ではできないのでしょうか?

きゃりお

はい、難しいと思っております。

現職では手持ちのソリューションにどうしても制約を受けることになります。御社はもっと広く今後どのような世界を作り上げるべきか?構想ドリブンで方針を固め、実現に向けて必要な機能をオーガナイズしながら、体制構築されている点に特徴があり、XXの事業もA・B本部と連携していると伺っております。

そうしたことができるのは御社の幅広いアセット/ネットワークの強みゆえかと思っております

面接官(室長)

わかりました。弊本部では、トレーディング事業も一定の売上シェアがあって、そちらも引き続き重要な業務だと思っています。

きゃりおさんにそちらをお任せすることになる可能性もあるのですが、それは大丈夫でしょうか?

きゃりお

もちろん問題ございません。

将来的にはそうした事業開発に携わることが希望ですが、まずはトレーディングで既存のビジネス理解を深めながら具体的な価値を出していくことも重要だと思っておりますので、どのような業務であっても全力を尽くしたいと思っています

面接官(室長)

了解しました。

現職で一定評価もされていて、今の道で上り詰めることも選択肢としてはあると思うのですが、本当に転職したいのですか?

きゃりお

はい、現職に大きな不満があるわけではないのですが、よりスケールの大きな挑戦ができるのが御社であると思っており、ぜひ転職したいと思っております

面接官(室長)

例えば、商社独特のカルチャーは仕事以外のところでも一定ありますが、
そこについても大丈夫ですか?

きゃりお

はい、もちろん大丈夫です!(大きめの声)

面接官(室長)

ありがとうございます笑

正直、そこは最大限危惧しているところであるが、その場では全力の演技に徹する。

事業側の面接官からは突っ込んだ質問がなくさらりと終わった形。ただ、やり取り的には人事担当者の方が力を持ってそうな感じであった

面接官(人事)

えーっと、あと聞いておきたいこととしては、きゃりおさんは海外駐在や出張経験はありますか?

きゃりお

いえ、海外駐在/出張はあまりありません

面接官(人事)

英語にアレルギーはないですか?
部署によっては使用頻度が高いところもありまして。まあそこはキャッチアップしてくれればいいんですけど、どうでしょうか?

きゃりお

はい、英語については現在も地道に学習し続けており、今後も継続したいと思っております。

アレルギーはなく、むしろ実践的に使う機会を求めております。

面接官(人事)

わかりました。

では、お時間が来ましたので、こちらからの質問はこれで終了とさせていただきたいと思います。最後に何か質問などなければこれで終了とさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか?

きゃりお

はい、セミナーや御社社員の方へのヒアリングはさせていただいており、現時点で質問は特にございません。

本日はお忙しい中、お時間いただき、ありがとうございました。

質問はいくつか用意していたが雰囲気的にそのまま終えたほうが良さそうであったため、特に質問することなく終了とした。

トータル20分少々の面接で、淡々と進んでいった。手ごたえがない状態ではあったが、逆に大きな減点要素もない気がしており、どう転ぶか読めないな、というのが正直なところでした

三井物産│1次面接結果

翌週、マイページにて結果の連絡が来ました。
継続エージェントを使ってましたが、常にマイページの連絡の方が早かったですw

この度は、1次面接を受験頂き、ありがとうございました。
選考の結果、きゃりおさんには、ぜひ2次面接にお進み頂きたく、以下の通りご案内申し上げます。

無事パスしてました!嬉

鬼門の商社1次面接を突破し、Behavior面接力という点では非常に自信になりました。

商社は多数の候補者と横並びの選考フローのため、1人あたりの面接時間が限られます。
そして、想定を超える質問はほとんどなく、8-9割は対策できるものがメインです。
なので、自分の経験を淡々と説明しているとあっという間に終わってしまい、他の候補者に埋もれてしまうなと思いました。

伝えるべき内容として、物産はどんな業務課題を抱えていて、これまでの自分のスキル/経験はそれをどうシューティングしうるものか?相手目線に立って、訴求できるようにしておくと差別化しやすいなと思います!

そこで役立つのは上記の社員ヒアリングです。

新卒時代はOB訪問のメリットが分からず全くやってませんでしたが、少しおっさん化し、ようやくそのご利益に気付くことができました…

得られたインプットに自分の強み/経験を掛け合わせることで訴求力を高められるため、(既にやってる人は多いかもしれませんが)商社に問わず本気で行きたい企業がある場合には非常にオススメです!

以上、三井物産 1次面接体験記でした。次回2次面接です!

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