本記事では、三井物産における中途採用者の属性と、面接における評価のポイントについて解説します。
自身の転職活動経験に加えて、実際に転職を成功させた中の人の情報に基づいたここだけの内容となっているので、ぜひチェックしてみてください!
三井物産│中途採用者数の推移
まずは五大商社の中途採用者数の推移です!

各社、2022年以降は特に拡大していますね。
業績が大きく伸びたタイミングでもあり、横ばいの丸紅を除き、急拡大のトレンドです。
近年は志ある新卒優秀層が離職する例も増えていると聞くことから、その人員補完の要素もありそうですが、基本的には人材強化の目的と読み取って良いと思います。
特に三菱商事については、近年100名に迫る採用人数になってます。
一般職も一定割合を占めてそうですが、一昔前の世代では考えられない水準ですね…
新卒同等の人数を拡充しており、これまでになく王者三菱商事に入り込むチャンスは広がっていると言えます。
伊藤忠については相対的に新卒比重が高く、中途はまだ専門人材にフォーカスしている状況が続きます。
足もとわずかに拡大傾向を示しているものの、相対的にはまだまだ少ないですね。
そして三井物産に関しては、2020年に中途採用者数トップに立って以降、先駆けて中途採用を強化しているイメージとなってます。
年3-4回のサイクルでキャリア採用を進めており、中の人の負荷もそれは高そうですが、優秀な人材獲得意識の高さが伺えます。
私自身も実際に選考を進める中で、新卒/中途の区別なく、非常にフラットなカルチャーを随所に感じ、好感度が爆上がりしていったことを覚えています。
各社の採用HPを見ても、圧倒的に三井物産の採用ブランディングのうまさを感じるところです。
経営そのものは三菱・伊藤忠の2社が抜きんでているように感じましたが、それを吹き飛ばすPRで就活/転職志望者の心を鷲掴みしている感じがします笑
三井物産│中途入社者の属性
中途入社者の前職業界情報について入手したため集計しました!
サンプルデータですが、n=49とそこそこ集まっているため、おおよその傾向は捉えられるかと思います。

首位はIT(6人)です!
各商社がこぞって掲げているDXの推進に向けて、IT人材の獲得は最重要アジェンダになっていると思われます。
システム構築・データ活用中心のニーズが強く、GAFAやSIer、SaaSなどの経験者に幅広くチャンスがありそうです。
事業部門サイドに入り込んで事業DXを進められる人材も引き合いが強そうですね。
むしろ、競争倍率的にはコーポレートより事業側にエントリした方が内定確度の観点で有利かもしれません。
商社(5人)
続くのはまさかの商社です。商社が二番手に来るのは意外でした…
本当の意味での即戦力人材を欲しいといった感じなのでしょうか。
業績好調に伴う事業拡大に対して人員供給が追い付いていない構造が、その流れを加速させてそうですね。
業界を知り尽くした商社パーソンが、次のキャリアに三井物産を選ぶ。
その動き自体が、物産の持つ魅力を端的に物語っています。
また、自動車メーカー(5名)やエンジ二アリング会社(4名)も上位です。
自動車は、完全に事業ポテンシャル律速でしょうか。まずモビリティ本部だけで2本部あり、自動車以外も含んでますが他とは規模が違います。
自動車事業が海外展開を前提としているため、世界で勝負する際の勘所が分かってるといったことが強みなのかなと想像します。
EV・自動運転・カーボンニュートラルなど、テーマもトレンディなので、ここで経験のある方はドンピシャはまりそうですね。
エンジニアリングは、商社特有のプロマネの専門家として、M&Aに並ぶ専門人材として扱われている印象があります。
資源・エネルギー・化学等など、幅広い領域に横断的に関与することになるので、コーポレートに近い立ち位置の組織に所属している方が多いと思います。
プラント遅延となると数千億単位の損失に波及することもあると聞くので、そのリスクヘッジの観点からEPC経験豊富な人材には惜しみなく投資していくスタンスなのだろうと思われます。
そして、外資コンサル(4名)はその次です!
一時は、”コンサル出身だらけの総合商社の中途採用”など揶揄されてましたが、完全に過去の話ですね…
いまやコンサルであることの訴求力はあまりなさそうです。
M&A経験豊富なFASも外資コンサルにカウントされていると思われ、ピュアなビジコン人材はより少ないというのが実態かと思われます。
ただ、そもそもアプライする人の絶対数が少ないのでは?という声もちらほら聞くため、その線もあるかもしれません。
確かに、肌感覚的にも、商社とコンサルでは社員のカラーも真逆レベルで違うように思います笑
一方で、外資金融・日系金融は(計7名)ということで、実質的にはここが最多ですね。
M&Aは商社の内部人材のみだと対応しきれないところも多そうで、外部人材の採用ニーズは依然として高そうです。
激務に疲れ果ててしまった人やライフイベント等で落ち着きたい人がこぞって転職してる印象です笑
事業投資専門部署がいくつかあるため、よっぽど事業開発に拘りがない限りは、そこにエントリする形になるかと思われます。
これに加えて、各業界企業から分け隔てなく採用されているように見えます。
私も選考ステップに乗ってましたが、専門性が評価されている感覚はなく、特に20代の若手に関しては面接での思考力・人柄・熱意(があるように演じられるか)が重視される傾向です。
成長ポテンシャル重視のため、目先の仕事に打ち込んでる方であれば広くチャンスがあると思います!
といってもライバルは多いわけです。
具体的にどういったポイントを押さえる必要があるか?が気になるところですよね。
それについては、次のチャプターで解説したいと思います!
三井物産│面接評価の観点
複数名の面接内容をプロファイルし、特に三井物産で重視されていると思われる評価の観点について整理しています。
一通り想定問答集を作成された方におかれましても、以下観点については重点的に深掘り対策しておくことをオススメします!
1. 一定規模の事業成果を創出するアクションを講じているか
現在は外注面接官によるチェックポイントになっているようです。
「指示待ちではなく、主体的に課題を設定し、自ら行動してきたか」が評価対象です。
併せて、取り組みの規模や定量成果を問う質問がなされるとのことで、ある種の足切りラインになっている可能性があります。
2. チームワークはあるか/マネジメント経験はあるか
こちらも外注面接官によるチェックポイントとして挙げられており、足切りラインだと思われます。
第二新卒であればチームワークを発揮した経験、それ以降は何らかのマネジメント経験を問われる可能性があります。
- 「何人規模のチームをどれくらいの期間マネジメントしていましたか?」
- 「チームメンバーのベクトル合わせ/モチベーション維持をどのように図っていましたか?」
- 「チーム内で意見の対立があった場合、どのように対処しましたか?」
といったようなニュアンスの質問が頻出しており、自分なりのエピソードを用意しておくとよいでしょう。
3. 明確なビジョンがあるか
単なる志望動機ではなく、「入社後何をしたいか」の具体性です。
コーポレートではなく、特に事業部門にアプライする人に求められる傾向があります。
「具体的に事業のどのような課題に対して、どう対応していきたいか?そこで活かせるスキル/経験は何か?」は、準備の密度がストレートに出る質問です。
商社は事業単体の収益に加えて、将来の目指す姿の腹落ち感を重視する傾向があり、そうした点も踏まえて視座の高さを示せるとベターです!
4. Fit & Gapは許容範囲か
商社で要求されるとされる会計/財務、法律、英語などの典型的なスキルセットを持ち合わせてるか/差分を埋めに行ってるかどうか?という観点です。
面接における頻出質問というだけでなく、エントリーシートにおいても明示的に要求されるため、重視されているポイントかと思われます。
特に分かりやすいスキルセットで横並び比較できる観点のため、濃密な経験はなかったとしても、何らか経験を語れるよう準備しておけるとよいと思います。
5. 熱意があるか
特に最終面接の役員レベルで、価値観/人生観に踏み込んだ質問がよくみられます。
- 「商社で成し遂げたいことは何ですか?」
- 「仕事で一番大切にしていることは何ですか?」
これは心の声をそのままに、大きな声で話すこと。
内容は問わず、人情味を出しながらとにかく熱っぽく語れるかどうかが鍵です。
自分の人生やキャリアを通じて何を実現したいのか?をじっくり考えられれば、あとはその場で出し切るのみです!
まとめ
以上、三井物産の中途採用の属性、評価のポイントについて解説しました!
特に足もとは業績の恩恵もあって幅広い人材が採用されている傾向にあり、少しでも気になる方は臆することなく突撃すべきです!
転職活動を進めると自分と向き合う時間も増えるため、結果として三井物産に行かない/落ちてしまった場合でも、活動自体が有意義なものになると思います。
以下で商社業界研究やキャリアを考える上でのおすすめ書籍を紹介しているため、こちらもぜひ参考にしてみてください!

